ドラクルージュ 真に忌まわしきは

■背景
PC1とPC2は生き別れた双子である。
PC1家とPC2家は共通の領主から忌み子として追われた双子を匿う家々であった。
共通の領主は双子という存在を、騎士としての力が 二分される元凶だとして忌み嫌っていた。

■DR情報
このシナリオでは[戦の幕]、[常の幕]の順に発生する。最初の[戦の幕]はPvPであるが、[戦の幕]後から最後まで協力型のシナリオとなる。PC、NPCそれぞれの心の葛藤を楽しんでもらいたい。

■開演前、序の幕
ルルブに従って行うこと。

■戦の幕
□口上
ここはPC1 PC2双方の領土の中でもかなり遠方の場所。辺鄙なところで、暗い森が中へ入ることを拒む。その薄暗き影から誰かが出てきた。貴卿らである。その姿を見て貴卿らははっと気付くであろう。これが、幼き頃より聞かされてきた領主の仇となるものである、と。互いに次はどこで出会うかわからない。今こそがチャンスである。貴卿らは名乗りをあげ、剣を手に取った。

□詳細
PC1とPC2が剣を交えつつ話し合いをして、自分達の仕える主の領主(共通の領主)が黒幕であることに気がつく幕。共通の領主から守ってくれたのがそれぞれの家の主であったことが判明する。データ的に潰し合う戦ではなく、軽いチュートリアルとRPを目的とする戦であることに注意されたし。

□諸元
PC達はそれぞれ単騎で領地の見回りに来ている。そのためNPCはいない。

□1ラウンド経過後の絆奏(特殊ルール)
PC達は互いに任意のルージュを1点得る。

□2ラウンド経過後の絆奏
PC達は任意のルージュまたはノワールを1点得る。

■幕間
ルルブに従って行うこと。

■常の幕
□口上
剣を交わすことで貴卿らは互いに置かれた立場の奇妙さが分かるだろう。何故双子で生まれた貴卿らが家を追われ、違う主の元へ行き、幼き頃から互いを疎むように教育されたのか。元凶となる共通の領主について聞き込めば何か分かるやも知れぬ。貴卿ら二人が仕えている領地で聞き込みをすることができるだろう。

□詳細
PC達の共通の領主についてどんな人物か訪ねて回る幕。共通の領主に動きがばれる(すべての情報をPLに伝える)と[終の幕]が始まる。

また、この幕で、PC達忌み子とされたの理由が判明する(シナリオ背景をPLに伝える)。

□NPC
PC1の主→領主に追われたPC1を可哀想に思い匿った人物。共通の領主の忌み事は今や時代遅れであると知っている。

PC2の主→領主に追われたPC2を鍛えて軍事力の一助にしようと企んだ人物。共通の領主については見込みある双子のうち片方を育て上げることができたため感謝の念を抱くほどである。

その他NPCは端役としていくらでも生やしてよい。まとめると以下の情報を出してくれる。

・PC1とPC2はそっくりな二卵性双生児である。
・騎士として立派に育った今ならPCx(相手PC)を葬りさってくれると期待していた。
・PC1の主とPC2の主はどちらもPC達共通の領主を面白く思っていない。共通の領主から追われたPC達をそれぞれ育て上げたのも、共通の領主をそのうち嵌めて自分達が出世するための手駒育成だった。

□諸元
・NPC種別
[脇役]PC1の主(P255 助言者)
[脇役]PC2の主(P256 陰謀家)

・NPC配置
宮廷:PC1の主、PC2の主

・存在点
PC1の主:8点
PC2の主:8点

・行動値
PC1の主:10
PC2の主:10

・壁の華
PC1の主:じっとPC達の顔を見て去っていく
PC2の主:「嘆かわしい」と呟いて去っていく

・場所
玉座:邸宅の部屋の中(適当な[端役]の家)
宮廷:邸宅の廊下
庭園:邸宅の庭

・絆奏
PC達→PC1の主[憐]、PC2の主[憐]

■終の幕
□口上
共通の領主は古い考えを信じこんだ厳格な人物だった。貴卿らが聞き込みをして回っているとそれぞれの主は危機感を持ったのか、貴卿らの行動を力ずくで止めようとするであろう。何故と問えば掌を返したように貴卿らに侮蔑の眼差しを向け、使えない手駒などいらぬと問答無用で戦いを仕掛けてきた。

□1ラウンド経過後の口上
共通の領主が動く。貴卿らの主がまだいた場合は、散り散りにどこかへ消えてしまうだろう。(それぞれの主は[壁の華]となる)貴卿らに対し共通の領主は、まだ生きていたのか、忌まわしい血筋は絶たねばならぬ、と剣を取る。

□詳細
PCそれぞれの主を反省させるための戦い。それぞれの主は1ラウンドが経過するといなくなる。

また、1ラウンド経過後に登場する共通の領主は、PC達を敵視する。
そして、双子が騎士としての力を弱らせるという古い考えを頑なに信じているが、目の前の双子(PC達)を見て、過去の自分の行いが正しいものだったのか動揺する。

①PC達が共通の領主の行いを容認すると反省し、騎士を辞める。
②PC達が共通の領主の過去の行いを許容しない場合堕落の兆しが発現する。

PC達がその時舞台にいるすべてのNPCの存在点を0にすると[終の幕]は終了する。

□諸元
・NPC種別
[端役]PC1の主(P264 眷属)
[端役]PC2の主(P264 眷属)

・NPC配置
宮廷:PC1の主、PC2の主

・存在点
PC1の主:[常の幕]で残った存在点
PC2の主:[常の幕]で残った存在点

・行動値
PC1の主:なし
PC2の主:なし

・壁の華
PC1の主:すべてを諦めたような顔になる
PC2の主:誰かを警戒するような仕草をする

・場所
玉座:邸宅の部屋の中(適当な[端役]の家)
宮廷:邸宅の廊下
庭園:邸宅の庭

・絆奏
特になし

□1ラウンド経過後に登場
・NPC種別
[脇役]共通の領主(P256 頑固者)
※PC1の主とPC2の主の共通の領主

・NPC配置
共通の領主:玉座

・存在点
共通の領主:20

・行動値
共通の領主:24

・壁の華
共通の領主:[終の幕]の演出に合わせた反応をする

・場所
[常の幕]と同じ

・絆奏
PC達→共通の領主:任意のルージュ

■後の幕
[終の幕]でPC達が①と②のどちらを選択したのかで演出が変わる。また、[終の幕]でPC達が[完全なる堕落]をしてしまった場合は③が発生する。

①共通の領主はひっそりと騎士を引退する。その後の領地の扱いについては、共通の領主の近衛の頭痛のたねとなるだろう。

②共通の領主はその身に堕落の兆しが現れることとなる。しかし考え方を少し改め、以前より柔らかな治世を敷くこととなるだろう。

③貴卿らは共通の領主を前に敗北する。やはり双子は忌み子だということなのだろうか…。