【継続キャラ用】冥府の階段【2人用2サイクル特殊型】

■背景情報
死んだ自覚のあるPCたちは、実は冷凍睡眠で眠っているだけでした。第三次世界大戦が起こり世界が荒廃した後、徐々に人々が生きる環境が整い、人類は順次冷凍睡眠から解放されています。しかし、冷凍睡眠には少々難があったようで、覚める際に失敗した人々もいます。シナリオ中に登場する「鬼」がそうです。

本当の使命1を達成すると滅びた世界を目の当たりにして絶望しますが、生還します。
本当の使命2を達成すると冷凍睡眠から目覚めることなく過ごすことになります。死んでいるという自覚は変わらないでしょう。
本当の使命3を達成すると、数少ない冷凍睡眠から覚め無事だった人々のコミュニティに加わることになります。

途中に登場する花畑や大河は、冷凍睡眠から覚めるかどうかの瀬戸際で見る彼の岸の様子です。

■PC秘密
【PC1,2共通】条件:「死亡」処理はしていないが、死んだ自覚のあるPC
あなたは死んだ。それは自身でも自覚していることであり、事実だ。死後の世界というのは存在したらしい。現にあなたは、この真っ暗闇の中立っている。
あなたの使命は【死後の世界から脱出する】ことだ。

<秘密>
この暗闇は本当に死後の世界なのだろうか?辺りには血の臭いや腐臭が広がっている。これが地獄なのか?地獄に落ちたのは初めてだから分からない。あなたの本当の使命はクライマックスフェイズが始まる前に、以下から選択してGMに申告すること。
1.【この世界から相手PCと共に脱出する】
2.【この世界に1人で留まる】

また、PLから「自分は冷凍睡眠しているのではないか?」とゾーキングがあった場合のみ、以下の選択肢が増えます。
3.【冷凍睡眠から覚め、この世界で生きる】

■使用狂気カード10枚
依存、パニック、血への渇望、絶叫、暴力衝動(以上基本)
恐怖の関連付け、なぜ自分だけ!?、忌み数(以上デッドループ)
怖がり、浄化(以上ブラックデイズ)

以上10枚をランダムな順番で山札とする。

■此の岸彼の岸シーン表D6
1:視界にジジッ…とノイズが走る。一瞬見えたのは白い部屋。病室か研究所?シーンプレイヤーはショックを受ける。
2:視界にジジッ…とノイズが走る。一瞬見えたのは荒廃しきった世界。地表はすべて瓦礫の灰色に覆われている。シーンプレイヤーはショックを受ける。
3:視界にジジッ…とノイズが走る。一瞬見えたのは鬼が人々を痛めつける様子。ここは地獄なのだろうか?シーンプレイヤーはショックを受ける。
4:視界にジジッ…とノイズが走る。一瞬見えたのはカプセルのようなものが並んだ冷蔵室のような場所。これは一体?シーンプレイヤーはショックを受ける。
5:視界にジジッ…とノイズが走る。一瞬見えたのは一つの棺桶のような何かに繋がれた近未来的な機械。なんだこれは?シーンプレイヤーはショックを受ける。
6:視界にジジッ…とノイズが走る。一瞬見えたのは荒廃しきった中にも感じられる野草の伊吹。だが、生きているものは見当たらなかった。シーンプレイヤーはショックを受ける。

■導入フェイズ
真っ暗闇の中、あなたたちは立っている。声を出して確認すると、知った相手かもしれないし、知らない相手かもしれない。この暗闇の中、どうしたものかと考えあぐねていると、あなたたちの視界に一瞬ノイズが走った。ジジッ…という音と共に一瞬視界に入ったのは真っ白い無機質な部屋。すぐにその光景は消え、また真っ暗闇へと戻ってしまう。

≪情景≫で恐怖判定。

上から風が吹いているようだ。ということはここから脱出するには上への階段を探せばよいはずだ。

【HO真っ暗闇】を提示し、導入フェイズを終了する。

■メインフェイズ
HOの通りに進行し、2サイクル経過で自動的にクライマックスフェイズへ移行します。
マスターシーンはありません。
クライマックスフェイズ開始までに本当の使命を選択してもらってください。
また、濁流しやすいバランスで作ってあります。難易度調整をする場合は導入フェイズかクライマックスフェイズの恐怖判定を免除する、狂気カードの枚数を増やす、などしてください。

■クライマックスフェイズ
不意に、体が熱く感じる。どうしてかは分からないが、まぶしさも感じる。白い光があなた達を焼き尽くさんとしているようだ。

≪焼却≫で恐怖判定。

クライマックスフェイズ終了条件
・儀式を完遂する
 ※勝者を決めたい場合、最初に完遂したPCが戦闘の勝者となります
・PC全員の生命力が0になる
・濁流する

エネミー:P257死の運命
※【死の猟犬】発動条件は満たしているものとします。

本当の使命が1のPC用儀式シート:滅びた世界
手順/手順の名前/指定特技/参加条件/ペナルティ
1/痕跡を探す/≪追跡≫/本当の使命が1のPC/失敗で1のダメージ
2/外に出る/≪効率≫/本当の使命が1のPC/失敗で狂気カードを山札から1枚引く
3/廃墟を目にする/≪終末≫/本当の使命が1のPC/特になし

本当の使命が2のPC用儀式シート:なお死して
手順/手順の名前/指定特技/参加条件/ペナルティ
1/寝転ぶ/≪手触り≫/本当の使命が2のPC/失敗で1のダメージ
2/目を閉じる/≪暗黒≫/本当の使命が2のPC/特になし
3/全てを忘れる/≪情景≫/本当の使命が2のPC/失敗で狂気カードを山札から1枚引く

本当の使命が3のPC用儀式シートEx:コミュニティ
手順/手順の名前/指定特技/参加条件/ペナルティ
1/目覚める/≪情景≫/本当の使命が3のPC/失敗で1のダメージ
2/外に出る/≪夢≫/本当の使命が3のPC/特になし
3/人を探す/≪人類学≫/本当の使命が3のPC/失敗で狂気カードを山札から1枚引く

※本当の使命に合わせた儀式を行わせてください。本当の使命が同じ場合のみ、協力して同じ儀式に挑むことが可能です。儀式シートは秘匿でも拡散でも構いません。

■エンディング
基本的にA、B、Cのどれかに落ち着くと思いますが、状況に応じてD、Eの描写も参考にしてください。どの描写へ行ってもPCは生還します。

A.この世界からPC2人とも脱出した(全員本当の使命1達成相当)
あなたたちは外に出る。そこは第三次世界大戦が起き、荒廃した世界だった。どこへ行っても、どれだけ歩いても、何もなかった。あなたたちは絶望する。

B.PCのどちらかだけがこの世界に留まった(本当の使命2達成&本当の使命1達成相当)
ここに留まる選択をしたPCと、ここから出る選択をしたPCには永遠の別れが訪れる。ここは冷凍睡眠用のカプセルが眠る冷蔵庫だった。一度目覚めてしまってはもう冷凍睡眠には戻れない。そこまでの技術はなかったのだ。安らかに、死んだように眠るPCを後にし、もう一人はどこへ行くのだろうか。

C.PC2人ともこの世界に留まった(全員本当の使命達成2相当)
ここは冷凍睡眠用のカプセルが眠る冷蔵庫だった。一度目覚めてしまってはもう冷凍睡眠には戻れない。そこまでの技術はなかったのだ。安らかに、死んだように眠るあなたたち。もうあの地獄のような光景は見なくて済むだろう。

D.儀式シートExに成功したPCがいる(本当の使命3達成相当)
そこは第三次世界大戦が起き、荒廃した世界だった。だが、しばらく歩いてみれば人々の生活する活気が感じられる。冷凍睡眠から覚めた人々の小さなコミュニティのようだ。あなたは新しい仲間として歓迎される。

E.儀式シートExに失敗したPCがいる(本当の使命3失敗相当)
あなたは冷凍睡眠から目覚めることには成功したが、理性を失い、人々を殺戮する存在になり果てた。あなたは「鬼」となり、施設の人々に襲い掛かる。槍を押し付けられ、施設の地下に幽閉され、永遠に鬼同士の殺し合いを始めることだろう。強い鬼となれば角が生えてくる…らしい。

F.濁流した:バッドエンド表は使いません。
ここは冷凍睡眠用のカプセルが眠る冷蔵庫だった。この施設の地下では、起きるのに失敗した人間が鬼となり果て、殺し合いを繰り広げている。カプセルの中に留まるも、鬼になり果てるもあなた達の自由だ。外に出たならば、そこは第三次世界大戦が起こり荒廃しきった土地が広がるだけだろう。

■場のHO
【HO真っ暗闇】
どうやら部屋のような構造をしているらしい。上へと続く階段を発見した。
※このHOの調査に成功すると階段を登り切ったことになる。

<秘密>拡散情報、ショック全員、恐怖判定あり
階段を登り切ったその先は血濡れの地獄だった。血の臭いや腐臭が一段と濃くなる。目の前では角が生えた鬼が人間を槍で突き刺している。なんども、なんども、なんども。
≪刺す≫で恐怖判定。【HO血濡れの地獄】を提示する。

【HO血濡れの地獄】
そこに広がっていたのは血濡れの地獄の様相だった。角が生えた鬼が人々を殺戮していく。どうにかしてここから出なくては。周囲をよく調べると一本の道を見つける。

補助判定≪破壊≫に成功すると何事もなくこのHOを調査できるが、失敗すると1のダメージを受ける。補助判定に挑戦せずに調査判定をすることはできない。

<秘密>拡散情報
道は見えない壁でふさがれていた。なんとかしてその道を辿ると、目の前には花畑と大きな河が見えてきた。あそこへ行けば、きっと大丈夫。
【HO花畑】【HO大河】を提示する。

【HO花畑】
道を歩いた外にあった一面の花畑。どこか現実感がないように思える。

<秘密>恐怖判定あり
違和感がある。一面の花畑なのに、何の香りもしないのだ。そして、視界にジジッ…とノイズが走る。またか……と思うだろう。今回見えたのは寄り添って生活する人々の小さなコミュニティ。周囲は荒れ果てている様子だが、確かに生命の活気があった。その光景は一瞬で消えてしまった。
≪におい≫で恐怖判定。

【HO大河】
道を歩いた外にあった大河。橋が掛かっている様子はない。船着き場も見当たらない。どこか現実感がないように思える。

<秘密>恐怖判定あり
あなたは恐る恐る大河に近づいた。水に手を浸してみると……温度を感じない。なぜ?そして、視界にジジッ…とノイズが走る。今回見えたのは荒廃しきった世界。ビルは崩れ鉄筋が地面から生え、かつて人工物だったであろうものはすべからく苔むしている。その光景は一瞬で消えてしまった。
≪兵器≫で恐怖判定。