【アンサング・デュエット】花吐く君を救いたい

本編

【チャプター0:あいつどうしてる?】

異界深度は0です。バインダーの日常世界です。

・状況説明
バインダーは1人で帰宅中です。最近ライバル(シフター)の姿を見ないことを気にしています。このチャプターにシフターは登場しません。

・判定
ありません。

・RP指針
何のライバルなのか、どんな感じで帰宅しているのか(どこからの帰り?荷物は多い?など)ここでRPしてしまいましょう。

・結末
家まであと一歩の曲がり角。ふ、と瞬きすると何故かそこは見慣れた近所の植物園の中でした。
(GM向け補足説明:実際には帰宅し、疲れからお布団ダイブを決めています。バインダーは自分が床に就いたことすら覚えていないほど大会に向けて練習してきました)

【チャプター1:再会】

異界深度は5です。戻れません。ここはシフターの深層心理が生み出した異界であり、そこに入り込んできたバインダーの夢です。しかしバインダーは夢とは気が付いていません。

・状況説明
植物園になぜか迷い込んでしまったバインダー。前から誰かが歩いてきます。シフターです。シフターは「なんで来た!」と、バインダーを追い返そうとします。植物園の出口まで引っ張っていく勢いです。しかし、中は迷路のように複雑になっていて簡単に出られそうにありません。近所の植物園はこんな巨大迷路ではなかったはずです。

→手をつなぐ
整えられた植物園だったはずが、ジャングルのように深い森や茂みになっていることが分かります。毒々しいほど鮮やかな色の花々が咲いています。

・判定「植物の迷路を進む:難易度5」

→2人とも成功した
いつもなら出入口だった場所につくことができました。しかし、そこには「営業時間終了」の札がかかり、ドアもロックされています。シフターが別の出口を探そうと言います。

→片方が失敗した
いつもの出入口へ行く途中、失敗したほうが転んでしまいます。なんとかいつもの出入口へつくことができました。しかし、そこには「営業時間終了」の札がかかり、ドアもロックされています。シフターが別の出口を探そうと言います。失敗したほうは1つのフラグメントボックスに「忘却」のチェックを入れ、変異を1段階進めます。

→2人とも失敗した
いつもの出入口にたどり着くことができません。シフターが別の出口を探そうと言います。2人とも1つのフラグメントボックスに「忘却」のチェックを入れ、変異を1段階進めます。

・RP指針
このチャプター以降、<花吐き病ギミック>が自動的に発動します。シフターはここが現実世界ではない事を理解しています。以下の内容をバインダーに説明してあげてください。花吐き病ギミックをお忘れなく!

・結末
どちらからともなく、植物園内を一通り巡ろうという提案をします。あなたたちは植物園を巡りながら、久しぶりに会えたことに喜び会話をするのでした。

【チャプター2:植物園巡り~バインダーの近況~】

異界深度は6です。しばし植物園巡りをしてください。

・状況説明
まるでジャングルのようにうっそうと繁った植物園の中を巡ります。飼育されている鳥の声が聞こえてきます。鳥の声にしては嫌に人間臭い声ですが…。

→手をつなぐ
鳥の声がハーピーの声に聞こえます。人間の女性の叫び声のような声です。ジャングルどころかマングローブのようなぐちゃぐちゃした地形になっていることが分かります。

・判定「マングローブの泥に足をとられないよう進む:難易度6」

→2人とも成功した
無事にマングローブを抜けられました。RPを続けます。

→片方が失敗した
失敗したほうは1つのフラグメントボックスに「忘却」のチェックを入れ、変異を1段階進めます。泥に足を取られますが、成功したほうがフォローして事なきを得ます。

→2人とも失敗した
2人とも1つのフラグメントボックスに「忘却」のチェックを入れ、変異を1段階進めます。べしゃっと泥に足を取られ転けつつもなんとか進むことが出来ました。

・RP指針
バインダーの近況を聞きましょう。時折ハーピーの声を入れ、2人が不安がる様子を演出すると楽しいと思います。シフターは花吐き病ギミックをお忘れなく。シフターは自分が次の大会で引退することを決めていることを伝えてしまいましょう。

・結末
あなたたちが話しながら植物園を巡っていると、大きな人口滝の裏に出ました。ここは植物園の中心であり、目玉とも言えるフロアだったはずです。しかし水は泥で濁り、濁流となって流れ落ちています。もっと綺麗な滝だったはずなのにどうしたのでしょうか。

【チャプター3:植物園巡り~シフターの近況~】

異界深度は7です。ここでシフターはバインダーに自分が交通事故に遭い、植物状態で病院に入院していることを知らせます。ここが恐らくバインダーの夢であるということも知らせます。

・状況説明
土石流となって流れ落ちる滝に、周囲の木々がなぎ倒されていきます。一刻も早く逃げなければあなたたちも飲み込まれてしまうに違いありません。

→手をつなぐ
土石流の先に非常口があるのが分かります。

・判定「土石流に流されることなく非常口へたどり着く:難易度7」

この判定は2人とも成功するまで終わりません。

→2人とも成功した
無事、緑色の常夜灯に照らされた非常口へとたどり着くことができました。

→片方が失敗した
失敗したほうは1つのフラグメントボックスに「忘却」のチェックを入れ、変異を1段階進めます。激しい濁流に飲み込まれるライバルの手を、成功したほうが必死に引っ張ります。

→2人とも失敗した
2人とも1つのフラグメントボックスに「忘却」のチェックを入れ、変異を1段階進めます。2人とも濁流にのみこまれ、意識を喪失していきます。次に目が覚めたときはまたあの滝の裏でした。非常口まで進めばきっとこの異界から抜け出せるはずです。

・RP指針
状況説明しながら迫りくる土石流から逃げるシーンです。判定に失敗してしまった場合、「お前がいないとダメなんだよっ!こんなところで勝手に死ぬんじゃねぇ…!」と言って相手の手を引く、など美味しいRPができるかと思います。バインダーがシフターが事故に遭ったことを信じるかどうかはPC次第で大丈夫です。次のチャプターで嫌でも事故現場に居合わせることになるのですから。シフターは花吐き病ギミックをなるべくお忘れなく。花を吐いていても力が落ちているわけではありませんので、バインダーが判定に失敗してしまってもその点は心配不要です。

・結末
何はともあれ、非常口へたどり着いた2人。外へ出ると、そこは白い光に包まれた空間でした。まだ異界から脱出できたわけではないようです。

【チャプター4:どうして】

異界深度は8です。異界のルールにより動く世界です。シフターが事故に遭った瞬間がフラッシュバックします。

・状況説明
眩しくて何も見えないほどの光が収まると、そこはいつもの練習場所に近い道路でした。猛速度で角を曲がってくるトラックが見えます。シフターはというと、顔面蒼白になっています。

→手をつなぐ
手をつないだ相手とは別に、もう一人のシフターが道路を渡り…そしてトラックに轢かれる姿を目撃します。トラックに轢かれる瞬間、スローモーションがかかったかのように、嫌な音を立てて跳ねられるシフターの姿、ひしゃげるトラック、飛び散るシフターの血、トラックからあふれ出る大量の百合と水仙が見えます。

・判定「フラッシュバックする記憶を和らげる:難易度8」

→2人とも成功した
2人ともショックから立ち直ります。これは所詮記憶にすぎません。

→片方が失敗した
失敗したほうは1つのフラグメントボックスに「忘却」のチェックを入れ、変異を1段階進めます。成功したほうが慰めることで、失敗したほうは立ち直ることができます。

→2人とも失敗した
2人とも1つのフラグメントボックスに「忘却」のチェックを入れ、変異を1段階進めます。あまりにも恐ろしく、あまりにも鮮明な記憶でした。

・RP指針
理不尽な交通事故の記憶がフラッシュバックする空間です。所詮記憶ですが、実際に起こった事実でもあります。シフターは尋常じゃなく怯えるとよいでしょう。花屋のトラックからあふれ出る百合と水仙はどちらも観賞用の植物ですが毒草です。これは事実そうだったとしてもいいですし、異界の悪意による歪みだとしてもよいです。花吐き病ギミックは相変わらず続きます。

・結末
ふわふわと空間が溶けていきます。やがて薬品の匂いが鼻を突きます。どうやらここは病院の一室のようです。

【ファイナルチャプター:垣間見た現実】

異界深度は9です。シフターが入院している病室が舞台となります。

・状況説明
総合病院の個室のようです。ベッドにはシフターの名前が掛けられています。

→手をつなぐ
酸素マスクを付けられ、心電図を図る計器を付けられ、点滴や沢山の管に繋がれたシフターの姿が見えます。こちらこそ現実です。話しかけても全く反応しません。所謂植物状態です。病室を見渡すと、お見舞いのものでしょうか、ブリザーブドフラワーの箱が薄く光っています。ストーリーフラグメント:ブリザーブドフラワーを入手します。

・判定「現実のシフターが目を覚ます:難易度9」

→2人とも成功した
ベッドに横たわっているシフターの目がゆっくりと開きます。どうやらこちらのことは見えていないようです。1人の看護師がやってきて、慌てて医師を呼びます。

→片方が失敗した
失敗したほうは1つのフラグメントボックスに「忘却」のチェックを入れ、変異を1段階進めます。成功したほうだけが、ベッドに横たわるシフターの目がゆっくりと開くのを確認できます。

→2人とも失敗した
2人とも1つのフラグメントボックスに「忘却」のチェックを入れ、変異を1段階進めます。ベッドに横たわるシフターは果たして目を覚ますことがあるのでしょうか?

・RP指針
判定に失敗してもアフタートークへ進むことは可能です。夢の中から現実に訪れているだけのため、病室にあるどれもこれもが現実味を帯びたしっかりした本物です。現実のシフターが目を覚ますよう、心配してみるとよいでしょう。また、花吐き病ギミックは続きます。今までにシフターが吐いた花がブリザーブドフラワーとなって箱に敷き詰められています。

・結末
病室内がにわかに騒がしくなってきました。ブリザーブドフラワーが強く発光します。それに触れる(または触れている)と、あなたたちの体がうっすらと透けていきます。眠りから目が覚める、そんな感覚を2人とも覚えることでしょう。

【アフタートーク】

ここでシフターは全てのシナリオ背景を話して構いません。

・結末の分岐

→生還した
シフターは病院で目を覚まします。そこへ自宅で目を覚ましたバインダーが駆け込んできます。現実世界での再会を果たせました。

→シフターがロストした
自宅で目を覚ましたバインダーは病院へ駆けつけます。しかし治療のかいなく、シフターが息を引き取った後でした。

→バインダーがロストした
シフターは病院で目を覚まします。退院後、バインダーがあの日、眠るように死んだことを知らされます。

→2人ともロスト扱いの場合
あの世で仲良くしてください。

・変異への抵抗を行って下さい

・RP指針
それぞれの結末に即したRPをどうぞご自由に。

・フラグメントの追加を行って下さい。シナリオ名「#花吐く君を救いたい」および猫あきら制作シナリオ共通タグ「#8528シナリオ」で呟いてくださると嬉しいです。